心 房 細 動 に つ い て



1. 心房細動とは
2. 起こった時の症状は
3. 心房細動はなぜいけないの
4. 心房細動に対する対処法
 
A.
心房細動を停止させる
 
B.
心房細動が継続した場合の治療
  C. 心房細動の再発を予防する薬
  D. 心房細動の非薬物療法
5. ワーファリンを使う場合はいくつかの注意点があります。

 


心房細動とは

心房が不規則にこきざみにわなわなと(通常1分間に300-1000回)痙攣している状態です。
心室は正常に動いていますが、不規則に脈打つのが特徴です。
症状は動悸、労作時の息あがりです。

心房細動の原因は?
  心臓に病気がある場合 心臓弁膜症でもっとも高頻度に起きます
    ほかに心筋梗塞、心筋症などありますが、
    心房に負担のかかる病気なら何でも起こりえます
  心臓以外に病気がある場合 甲状腺機能亢進症が代表的です
  なにも病気がない場合 孤立性心房細動といいます

起こった時の症状は?
  ・ 動悸がします。脈拍が不規則、まったくばらばらなのが特徴です。
・ 通常より脈は速めですが、心臓はどきどきしているのに脈をみると少ないこともあります。
・ 軽い運動をしても脈拍が急激に上昇しやすく、息上がりも容易に来ます。
・ 逆に脈が非常に遅いタイプの人は遅いために息あがりを来すこともあります。

・ しかし、慢性の心房細動の場合は殆ど無症状の方の方が多いようです。

心房細動はなぜいけないの?

1) 心不全症状(労作時の息上がりですがひどいとめまい、ふらつきもあります)が起きやすい
    ・ 心房がポンプの役目を果たせないことから、健康な人の2割くらい心臓からの拍出が減少します。
 心室の働きの悪い人ほど、心房に補充してもらっているので、影響は大きくでます。
    ・ 脈が速めになると、心臓が空うちして有効に血液を送り出せなくなり、
 動悸、運動時の息あがりがしやすくなります。
    ・ 脈が遅くなっても、有効に血液を送り出せなくなり、息あがりやひどいとめまいも起こります。
2) 健康な人の3倍脳梗塞になりやすい。
    ・ 心房が有効に働いてないために、心房内に血液のよどみができて、そこに血の塊が出来易く
     なります。その血の塊が心臓からはがれて脳に飛ぶと、脳の血管が詰まって脳梗塞になります。

心房細動に対する対処法

 A) 心房細動を停止させることができそうであれば、まずその努力をします

    停止させる為には、@お薬、A電気的除細動という二つの方法があります。
    いずれの方法でも2日以上心房細動が続いた時はとれた瞬間に心房が、
    それまでに出来ていた血の塊を、力強く送り出してしまい脳梗塞になる可能性
    があると言われていますので、抗凝固剤(ワーファリン)を投与し、血の塊が出
    来るのをまず予防します。
  @ お薬
    心房細動を止めるお薬としてよく使用するお薬はリスモダン、シベノール、サンリズ
    ムなどです。起こったばかりの時は一度に2錠のむと停止率は高いのですが、
    持続時間が長くなるにしたがって停止率も下がります。
    これらのお薬は心房細動の再発予防にも使われます。
  A 電気的除細動(カウンターショックとも言います)
    お薬で停止できなかった時に行う方法で、心臓に直接電気刺激を加えて心房
    細動を停止させる方法です。事前に十分ワーファリンを聞かせることと、心臓内
    に血栓がない事を心エコーで確認します。この治療は一般的に1泊入院して
    行っております。お薬で眠っている間に行いますので通常苦痛はありません。
    心房細動になって1年以上経過している人、何らかの心疾患があり、心房がか
    なり拡大している人は成功率が落ちますが、全体的な成功率は8割くらいです。

 B) 心房細動が継続した場合の治療

  上記の方法で心房細動をとるのが難しい、あるいはうまくいかなかった場合は以下の
  治療方針で対処します。この場合は2種類のお薬を通常使っております。
    1)軽い運動で脈拍が早くなりがちで、その結果息あがりもしやすくなるので、まずは脈拍
      を整える薬を投与します。
      ジギタリス製剤: ジゴキシン、ラニラピッドなど
      カルシウム拮抗剤: ワソラン
      ベータ遮断剤: インデラル、メインテート、アーチスト、ロプレソールなど
   

2)脳塞栓を(脳卒中)を起こす危険因子を一つでも持っている人は、脳塞栓症を予防する為に
  抗凝固剤(ワーファリン)を内服していただきます。

    ・ 65歳以下で脳卒中になる危険因子を持っていない人は主に抗血小板剤を使います。
      抗血小板剤 バファリン81、バイアスピリン、パナルジン、プレタールなどです。
      抗凝固剤 ワーファリンです。

脳塞栓症に対してはワーファリンの方がアスピリンより有効であったという多施設試験があり
危険性の高い人には高齢でもワーファリンが量を加減しながら使うべきであるとされています。

脳血栓症を起こしやすい危険因子は以下のものです。

  心臓弁膜症のある人 僧帽弁狭窄症、人工弁のある人
  心臓弁膜症のない人 65歳以上 うっ血性心不全 全身塞栓症
  高血圧 脳卒中 左房径50mm以上
  糖尿病 一過性脳虚血発作 心駆出率40%以下

 C) 心房細動の再発を予防する薬

  心房細動が元に戻っても再発する危険のある人はお薬が必要なことがあります。
  その人の心機能によりお薬を選択することがあります。
       
    心機能が正常 T群(リスモダン、シベノール、サンリズムなど)
    心機能が低下している場合 アミオダロン、ソタロール

 D) 心房細動の非薬物療法

  心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)
  心筋焼灼術で房室結節の伝導を遮断し、ペースメーカーをいれる方法
   
   

ワーファリンを使う場合はいくつかの注意点があります

1) 納豆、クロレラは食べれません。納豆等はビタミンKを増強する事を介してワーファリン
  の効きを悪くするからです。
  ほうれんそう、ブロッコリーなどはビタミンK多めですが差し支えありません。
2) ワーファリンの効きを見るために毎月血液検査が必要です。
    適正値
  プロトロンビン時間 INRで1.5〜2.5(高い方が薬が効いている、出血しやすくなっている)
  トロンボテスト 20-40%(低いほど効いている)
     
3) ワーファリンが効きすぎると歯茎や皮下の出血、鼻出血、血尿、血便など起こしやすくな
  ります。すぐ止まれば問題ありませんが、続くようならすぐ受診して下さい。
4) 抜歯、歯の治療、胃腸の内視鏡検査、手術を受けられる時は主治医、検査や治療を
  される先生に必ず相談してください。薬の中止をしなければならない事があります。
     
注意:3)、4)については抗血小板剤もあてはまりますので同じような対処が必要です。

 

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